整体は無資格だから違法か?

医師免許

整体師は一部の柔道整復師など治療系の国家資格保有者から、無資格、違法治療などと非難されることがあります。確かに医療行為を行なえるのは、まず医師免許保有者で、治療範囲と方法が限定される柔道整復師や鍼灸師です。なので整体の場合は施術と呼び、病気を治すのでなく体を整えると言います。

当院には整骨院(柔道整復師の治療院)経由のお客さん(整体院は患者と呼んではいけないという主張があります)が多いです。そのお客さんの大部分は、骨折、打撲、捻挫など、整骨院で健康保険を使って治療できる症状ではありません。慢性化した肩こりや腰痛、膝、肩の関節痛が大部分です。

慢性痛で整骨院にかかっても何ら問題はありませんが、当院の「治療」(彼らの多くはそう言います)は、効果があるが高いと言います。それで整骨院はいくらかと聞くと、500円位と答えます。保健が利くからだそうですが、慢性症状の場合は、整骨院で健康保険が使えない規定になっているそうです。

今まで治療法が保険適用なら、症状の種類や原因は問わないと思ってましたが、主に外傷や急性症状でないと保険適用できないようです。でも、実際は慢性症状の患者が多いようです。そうなると、整体を無資格、違法だという彼ら自身の大部分が、違法な保険請求をしていることになります。

確かに腕の悪い整体師に症状を悪化させられたり、金だけ取られてたいして改善しないことも少なくないとは思いますが、改善しない点では、整骨院の方も人のことは言えないはずです(自由治療で保険適用しない施術をしている所は別ですが)。

お互い競合しているし、柔道整復師は4~500万円も学費を使ってるので、気持ちはわかりますが、批判しても患者さんのためにはならないことは確かです。

整体師と国家資格

マッサージ師

今さらという話題ですが、先月、知り合いの整体師(カイロプラクター)が、営業不振のせいもあり、マッサージ師の資格を取ろうと思っていると相談されました。なぜかといえば、無資格と非難されるのが嫌だというのです。非難されることはありますが、ごくたまにです。

それでも、30代の彼にとっては、自分の一生の仕事と考えている事で法的に問題があるとか、一所懸命勉強したのに、民間資格どころか無資格と言われるのは耐え難いのでしょう。

整体は定年退職した人や子育てが終わって第二の人生の仕事として始めた年配の人が少なくないので、その年代の人にとっては、法的にあいまいな立場でも、万が一治療的施術が一切禁止されたとしても、生活自体は何とかなると(年金もじき受給できるし)思っているのでしょう。

でも、若い彼にとっては(若くはないですが、私も同様です)無資格、違法と言われることは、ひどくプライドを傷つけられ、自分の努力を否定されるだけでなく、人生設計に不安を感じさせることのようです。

実際、当院のお客さんから「整体は無資格だから、(肩こりの)治療は、うちのような国家資格のある整骨院や鍼灸院、マッサージ師のところに行かないと危険だ」と言われたと聞いたことがあります。

でも、それを聞いて思ったことは、毎月2~3回も、料金が安いからとはいえ(ということは保険適用)8年間も通院して、肩こりを解消できない治療って何?という感じです。それとなくそういったのがまずかったのか、それきり来なくなりましたが。

特に若い人にとって、民間資格である整体、カイロプラクティックは、批判がある分、選択に躊躇するようです。実際、私が習った整体療法を考案した先生の子息も、やっていることは父が考案した整体療法でも、鍼灸師や理学療法士など、治療系の国家資格を取得していることを見ればよくわかります。

整体学校の同級生に50代半ばの男性がいましたが、自分の子供が整体とやると言っても、柔道整復師か鍼灸指圧師の資格を取らせておいた方が安心だから、習っている整体療法考案者が息子を鍼灸学校に行かせる気持ちはよくわかると言ってました。

実は私も30歳くらいのときに、鍼灸などの手で病気を治すことに魅力を感じ、その学校に行こうか考えたことがあります。しかし学費と修業年限を考えたら、仕事をしながら3年間も学校に通い、当時でも300万円台の学費を払う余裕はないので、断念したことがあります。

なので、治療系の資格に憧れがありましたが、今ではむしろ「無資格」のほうが、施術や経営の自由度が高いので、このほうがいいと思っています。私が尊敬する野口晴哉先生や亀井進先生も柔道整復師、鍼灸師、指圧師、按摩師の資格は持っていません。野口先生は、医師法違反で逮捕されたこともあります。

逮捕されたら営業できないので、その土地では廃業でしょうけど、自分が尊敬し信じている手技療法の大家が「無資格」だということは、おおいに勇気づけられることです。本心を言えば(無資格)手技療法の創始者が、治療系の国家資格を表に出していること自体に、自身の仕事への覚悟の希薄さを感じます。

柔道整復師や鍼灸師、按摩マッサージ師の資格を持っていても、国家資格でない独自の手技療法を考案したというなら、資格を自身の肩書きとして使う必要はないと思ってしまいます。その資格で今も治療の仕事をしているなら別ですが。

整体と医師法

医師法違反

「子宮筋腫が手で小さくなる」と宣伝し、無資格で医療行為をしていたとして、千葉県船橋市の整体師が逮捕されたとニュースで報道されたことがありました。

その整体師は視覚障害者らしく、サングラスをかけ、大げささ身振り手振りで逮捕の不当性を訴えていましたが、雰囲気はどうみても胡散臭かったです。

宣伝のための著書も多数出版していたようですが、彼の施術で本当に子宮筋腫が縮小したかどうかは、施術前後でレントゲンでも撮影してなければわからないと思います。施術料が数万円という高額なので、まったく縮小を実感できなかった、あるいは病院の検査で縮小してないとわかった患者がいたとしたら、それを恨んで警察に訴える人がいても不思議ではないと思いました。

子宮筋腫自体は、生命に関わる病気ではないし、この整体師のやったことは、最悪でも子宮筋腫を放置してたために成長して、体調不良を感じるレベルだとは思いますし、手術や点滴などの医療事故と比べれば、取り返しがつかないというものではないにせよ、自分の利益のために子宮筋腫に悩む女性たちを食い物にしていたことは確かだと感じました。

うちの整体院でも、患者さんが病名を口にし、それに対して応える目的で、こちらも病名を出して説明などすることは全くないわけではありませんが、基本的には、体の状態を問題にはしますが、病名を出して治る治らないなどと言うことは、しないようにしています。

この事件を見ていて感じるのは、医師免許の無い整体師や治療家は、病名は口にしない方がいいということです。サイトやチラシなどの広告では、特に注意が必要です。テレビでも、この容疑者のサイトの宣伝文句(子宮筋腫が小さくなる)を問題として扱っており、容疑の証拠としても、この宣伝文が該当することは確かでしょう。

整体の仕事はやりがいがあるし、人に感謝される仕事でもありますが、今回の事件報道を見ていて、その社会的な立場は、かなり脆弱で不安定だと感じました。いわば、整体業などは、見方によってはグレーゾーンで営業しているとも言えるからです。

あきらかに治療効果がある、レベルの高い施術をすればするほど、医療行為に限りなく近づいていくので、施術と営業や広告宣伝面でかなり慎重にしていかないと、足元をすくわれる可能性が高くなっていくでしょう。整体師としての腕がよく繁盛して目立ってくると、同業者と類似業者の妬みを買って誹謗中傷されることも全くないとは言い切れません。

この容疑者も整体学校を経営していたましたが、整体師養成の学校などを見ても、この業界は玉石混交だと感じるし、レベルの低い施術を宣伝でごまかしているようなところもあると思います。

安心してよい整体をするためにも、施術で傷害などを与えない限り、整体などの民間療法も、「治療」のひとつとして、法的にも認めてほしいという思いはあります。そのためには、もっと整体など民間療法はレベルアップを図り、ある程度は医学的説明ができるようになる必要があると思います。

正しい整骨院の利用の仕方

整体院より、整骨院・接骨院をご利用になる方が多いようですので、柔道整復師の治療についてまとめてみました。

整骨院・接骨院(柔道整復師)で健康保険が使えるケース

急性など外傷性の骨折、不全骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉ばなれのときは、健康保険が使えます。この場合、本来、本人が代金を支払いあとで払い戻しを受けることになっていますが、地方社会保険事務局長との間で協定(受領委任の協定)ができているところでは、保険医療機関で治療を受けるときと同じように保険証を持参してかかれます。

骨折や脱臼については医師の同意が必要です。応急処置など止むを得ない場合には、医師の同意がなくて治療を受けられますが、応急手当後の施術には、医師の同意が必要です。

整骨院・接骨院(柔道整復師)で健康保険が使えない場合

外傷性でなく負傷日時がはっきりしない痛みの施術は、健康保険の対象外で全額自己負担になります。

次の場合は健康保険が使えません。

●日常生活からくる疲労や肩こり・腰痛・体調不良等
●スポーツによる筋肉疲労・筋肉痛
●病気(神経痛・リウマチ・五十肩・関節炎・ヘルニア等)からくる痛みや凝りの場合
●脳疾患後遺症等の慢性病
●症状の改善の見られない長期の施術
●医師の同意のない骨折や脱臼の施術(応急処置を除く)

仕事中に転んで捻挫した場合の健康保険適用について

勤務中や通勤途上のケガは、健康保険を使えませんが、労災保険が適用になるので、会社に報告して手続きをしてください。

また、ケガの原因が交通事故等第三者によるものであるときは健康保険組合に「第三者行為による傷病届」により届け出ることになっています。すぐに届出書を提出できないときは、口頭や電話で一刻も早く健康保険組合に連絡してください。

腰痛など慢性化した症状で整骨院(柔道整復師)に健康保険でかかれるか?

負傷日がはっきりしない原因不明の肩や腰の痛みに対する施術は、健康保険の対象外ですので、整骨院・接骨院での施術は全額自己負担になります。

なお、痛みの違和感が長くとれない場合は、重大な疾患(内科的疾患)を見落としている場合もありますので、念のために病院の受診をお勧めします。

数年前に治ったところが再発し痛み出したが、健康保険が適用されるか?

以前に負傷し治ったところが自然に痛み出したもの、交通事故の後遺症や脳疾患後遺症などの慢性病、症状の改善が見られない漫然とした施術は、健康保険の対象にはなりません。

マッサージは健康保険が使えるか?

はり・きゅう・あんま・マッサージの場合は、特殊な疾病や症状のため、保険医療機関等で通常行う療養を行ってもなお効果が得られず、あんま師、はり師、またはきゅう師の施術によれば相当の効果が期待できるものとして、保険医がその治療の必要性を認めた場合(医師の同意)に限り、健康保険を使うことができます。

次のような場合、健康保険の適用の対象になります。

●鍼灸師による神経痛、リウマチ等の慢性病の治療
●按摩(マッサージ)師による脳出血などによる片麻痺、骨折のリハビリ等

良い整体・治療方法選びのポイント

腰が痛む、肩がコル、膝が痛い、腕が上がらない(五十肩・四十肩)、背中が張る、首がコル、体がだるい、疲れやすい、イライラするなど、体の様々な病気とは言えないような症状を感じ悩み始めたときには、整形外科や接骨院、マッサージ、整体院などに行くことを考えると思います。

川越市内にはそんな治療院が沢山見かけられるようになりました。身近に治療や施術を受けられる施設があるのは良いことですが、どこがいいのかわからない、自分の体に直接関わることなので不安がある、本当に効果があるのか?逆に体を壊される心配はないのかなど、治療院選びに迷い悩まれることと思います。

そんな治療院・整体院などが初体験、初心者のために、治療院選びで失敗しないために、安全で効果が期待できる整体(施術)方法、治療方法の選び方をお伝えしたいと思います。

治療(施術)で症状をこじらせないために
強く押されたりもまれる方が効くと思ってませんか?

肩こり、腰痛などで指圧やマッサージに行かれる方は多いと思います。通い慣れてる人だと、弱い刺激(施術)だと物足りなく感じて、もっと強くと注文を出される方も少なくないようです。強く押されるほど、しっかりもまれるほど効くと思っている方は多いようです。マッサージや指圧を受けた直後はすっきりして気持ちいいでしょうが、翌日にはもうコリが戻っていることは珍しくなく、その上「もみ返し」で痛い思いをしている人も少なくないようです。

でも、その考えは体にとって危険なことがあります。腕の良いマッサージ師、指圧師ほど、やわらかく優しい施術で効き目もあり、効果も長続きする技術を持っているものです。

そんな上手なマッサージや指圧を受けても、症状が根本的に解消することはないと感じている方は少なくないと思います。確かに一時的には楽になりますが、それらの方法は筋肉のコリはほぐれることはありますが、骨格や体液、血行の流れまで改善するような、原因から治すような方法ではないようです。

ボキボキと関節を鳴らすような施術をするカイロプラクティックなら骨格の歪みを矯正できると思われる方は多いと思います。確かに、矯正された直後は骨格の歪みが修正され、ある程度は楽になっているようです。でも、この方法も回数を重ねる毎に力を強めないと体が反応しなくなってくるというリスクはあるようです。施術を受ける人も、じょじょに強い力でないと、長時間やってもらわないと効いた気がしなくなるようです。

治療院選びの全体的なポイントとしては、初回でも体の歪みを診ない、ほとんどが痛みを感じる施術方法、施術(治療)時間がやたらと長い(常に60分以上)、状態や原因の説明がない、生活習慣や体の使い方のアドバイスがない。これらの多くが当てはまるような治療院・整体院は、避けたほうが無難だと思います。

悪い治療とは、効果がないだけでなく危険が伴う治療(施術)方法のことです。体を良くするために整体・治療院(病院でも同様)へ来たのに、来る前より悪くなっては治療の意味がないだけでなく、命を危険に晒す行為といえます。

頼りないほどソフトに感じ、やさしい手技でも効果が実感できる。このような治療院や治療方法の方が、安全性が高く、施術効果も期待できるので良いと思います。また治療を受ける側(患者・クライアントさん)と治療師、医師、整体師との間に信頼関係がないと、治療や施術は十分に効果を発揮しないものです。

整体院の選び方

自分が整体を受ける立場で考えると、どこがいいのか迷います。ホームページや広告、店構えを見ただけでは、納得して判断はできないでしょう。実際に受けてみるのが一番です。

その際にポイントとなることを、整体師の立場からお伝えします。

●一つ目は、好感の持てる整体師のいる店を選ぶことです。嫌いな人に施術してもらっても、刺激を身体が受け付けないので、効果はいまいちです。通院するなら、好感が持てる整体師にしましょう。これは無意識に感覚的にしてることが多いと思います。特に女性は。

例外は、「ここでしか、私の症状は解消できない」と思えるほどの施術テクニックを持っている整体師の場合です。「他では全くと言っていいほど改善しなかったが、ここではかなり良くなっている。たぶん、他にこんな整体はない」と実感できたら、多少嫌いなタイプの整体師でも、通う価値は充分にあると思います。

●二つ目は、身体だけでなく、精神面にも気を配った施術をしている所がいいと思います。不調の原因は、昔なら肉体的な原因がメインで多かったようですが、今は、仕事で頭を使うことが多いので、精神的な影響で肉体的な部分にも不調が出てる人が多いようです。感情的なものが原因に含まれている場合は、感情を変えないと解消までもっていけないケースはあります。施術も頭(心理、精神面)に対するアプローチが必要な時代なのです。ですから、自分の不調が、心からも来てるなと感じたら、体にしか関心のない、施術方法も体、特に筋肉へのアプローチだけという整体では、充分な改善は望めないと思います。

●三つ目は、内臓の調整もできるところです。肩こりでも、姿勢の悪さなどから筋肉が張って凝っているだけとは限りません。内蔵、特に多いのが、消化器の疲れから肩が凝っている場合です。姿勢の歪みの原因、腰痛など表面的な部分の痛みも、内臓の疲れや不調が関係してる場合が少なくありません。内臓調整までできる整体師は少ないですが、見つけたらラッキーと思って、そこで施術を受けてみるといいと思います。

治さないのが経営安定のコツ?!

開業して間もない頃の話です。同業者同士で整体院経営で試行錯誤していると話したとき、少し面識のある柔道整復師が言いました。「患者を壊さず、治さずが治療院経営のコツだよ」その道25年以上の整骨院経営者としてのアドバイス?!でした。

整骨院で患者が払うのは500円前後が多いそうです。だから腰痛、肩こり、膝痛などで、何回も通院する人が多いのは、当院のクライアントさんからの話からもわかります。当院には、接骨院や整形外科、他の整体院で治らなかったクライアントさんが少なくないからです。

接骨院なら、基本的な治療は保険適用されるから、患者さんの負担は3割ですが、残りの7割の治療費は我々も支払っている税金です。

それで、治さないのが(壊さないと付け加えるのが、怖いですが…)経営安定のために必要だと言っているわけです。確かに近所の接骨院でも立派な家を建てているところが多い気がします(鍼灸院のほうが家があまり立派でないので、経営的には苦しいようです)。これでは、 ある意味、税金で食っているとも言えると思いました。

整体院でも同様の所はあります(多い?)。施術して治すと、その雇われ整体師にペナルティーをかす整体院もあると聞いたことがあります。 ある整体院は、どんな症状だろうが、状態だろうが、来院客は、必ずリピートさせるのが店の鉄則とのこと。その整体院は、儲かっていて店舗を順調に増やしているようです。不条理だがこれが現実です。

治療院・整体院向けの経営書に書かれていたことです。儲けるためには客単価をあげる(自費診療をメインにする)、必ずリピートさせ、リピートの間隔も短くさせる。新規を増やす、客を選ぶ(金持ちを顧客にする)。こうなると完全に商売だと思いました(そう感じるから、うちは繁盛しないのかも…)。

実際に経営的に成功している整体師が主催するセミナーに参加したときにも、同様のことを言われました。金持ちを相手にすれば、不況は関係ないとか、経営は楽だとか、毎日でも可能なら日に2度でも通院させればいい。そのほうが治りがよいし、などなど。

必ずしも経営だけを考えて言ってるとは思いませんが、この先生方は世間的には成功者で富裕層ですが(年収は2000万円とも3000万円ともいってます)、経営センスが抜群というか、経営者としての思考が優先していることは確かだと思いました。

療法の説明は必要か?

整体業は接客業でもあると考えてます。 ただし、自分の考えでは、いわゆる「お客様は神様です」のお客ではありません。不調を抱えているという意味では、「患者さん」です。

とはいえ、お金を支払う対価として、治療という名のサービスを提供しているわけだから、接客業としての側面は確実にあるので、対応の仕方は重視しています。

説明するのは得意だから、開業当初は、患者さんについ療法の理論などをクドク説明してたこともありました。 ある程度は必要だと今でも思ってますが、多くの患者さんは療法の説明などどうでもいいようです。理屈はともかく、痛い箇所を治して欲しいのです。

これを別の接客業で例えるとわかりやすいことに気づきました。

例えば、魚屋に行ったとします。 今晩の献立は決めてません。 安くて、活きがよくて、旨い魚があれば、それに決めたいと思っているとします。

そんな客に、魚の分類名や産地(はいいとして)、生態などを説明するのは、無駄というか、あまり意味がないでしょう。

「味はどうなの?美味しい?」
と聞かれて、

「肉は赤身で、寒流に乗って来る魚だから、身は引き締まっていると思うが、味は食べてみないことには確信を持っていえないねぇ」

などと答える魚屋はいないでしょう。

「今日は、ぶりがお勧めだよ!旬だから身が締まっててて、脂も載ってるからとろけるようだね!」

とかなんとか、多少大げさでも推薦してもらったほうが、買う気も起きるというものです。食べてみて不味かったら問題だが、そこそこなら、文句を言いに来る客もいないと思います。

整体の対応も基本的には同じなのではないでしょうか?

患者さんは原因と治るかどうかを、まず知りたいのです。
その点での適切でわかりやすい説明は必要ですが、理論を知りたいわけではない。

そして何より、安心させて欲しいのだ、と思います。
整体師が不安気、自信なさ気に、

「原因はいろいろあって、よくわかりませんねぇ。治るかどうかは、やってみなければわかりませんからねぇ。まあ、良くなるまで何回か通ってみてはどうでしょうか?」

などと言う治療院に何千円も出して通いたいと思う患者は少ないと思います。保険が利く病院なら別でしょうけど。

改善しなかった場合のクレームが怖いというのはありますが、それを恐れるあまり、あいまいな説明や対応、態度では、 きっと、治るものも治らなくなるのです。

「一番の原因は疲労ですね、睡眠不足もあるようだし。
3~4回位施術をすれば腰の歪みが修正されて楽になりますよ! 大丈夫ですから心配しないでください。 ただし、睡眠時間は最低でも7時間はとるように」

などと自信と確信を持って答えてくれる整体師になら、
まかせてみよう、良くなりそうだ、と感じるはずです。

最低限、来たときより悪くしないようにと、整体を習ったある先生に言われたことをおぼえてます。その意味で、施術のやりすぎと力加減に気をつけることは必要ですが、
万が一、(数回受けても、何日か経っても) 全く改善もしなかったとクレームが来たら(それは無いと自信は持っていますが…)、返金すればいいかなと、ふと思ったこともありました。ネットでのセミナーや教材販売のように、返金保証付のように。

実施してた時期がありましたが、明らかに施術後は改善しても、いきなり無理して仕事して悪化させたような状態や、施術後の回復しはじめのときに体調が変化する好転反応で返金を求められたことがあったので、止めました。返金には応じましたが、自分で納得できなかったからです。

今は、必ず改善するという強い意思を持って施術してるので、大丈夫だと思ってます。

療法の説明の話から脱線してしまいましたが、要するに、うちの整体を受けて、身体が楽になり、心も明るくなり、来てよかったと納得していただけることが一番大切なことだと思ってます。

整体業って接客サービス業?

整体業は接客業だという人がいます。それはそうだと思いますが、クライアントさんの機嫌を取ったり、やたら丁寧な対応するという意味での「接客」は、回復には逆効果だと考えてます。

至れり尽くせりの「おもてなし」の心が日本の文化、日本人の美徳だということが、テレビなどでよく耳にしますが、治療行為をする場合には、依存心が強いと、回復には逆効果だと感じます。

整体を受けに来るのは女性が多いです。僕は男で自宅で一人で営業していることを考えると、よく来てくれると感謝してます。

でも、男兄弟の中で育ったせいで、女性心理は実感としてはわからないこともあります。態度も不可解だと感じることはあります。きっと自分では普通の対応でも、女性の癇に障る対応をしていることがあるのかも知れません。

電話がかかってきて出たとき、とっさに対人接客モードに切り替えがし切れてないときもあります。そんなときは、自分でも言葉足らずだと感じます。

先方から予約を前提とした電話をかけているにも関わらず、途中で、何か適当な理由で予約せずに断られたことが、過去には何度かありました。

そんな時は落ち込みました。特に女性の場合は、ちょっとした対応ミスが予約を逃したり、リピートする気を失せさせたりするのではと思います。

今さらながらですが、整体は、施術だけやっていれば済む仕事ではなく、人間心理、特に、女性心理を学ぶことは大切です。

人様の体調を良くして、不調を解消に導くためには、体のことだけ知っていても、不十分です。心も知る必要があります。

もちろん接客業としての営業上の必要性もあるでしょうが、それも含めて、人間心理と行動を知ることは、施術効果を高めるためにも、必要不可欠だと実感してます。

そう考えると、金額的には小さな仕事ですが、物としての商品を(企業間で)売買するような仕事より、複雑で難しい側面があると、実感しています。

自力で回復する力を取り戻す!

うちは、全身の歪みを整え、体の機能全体を活性化させ、症状を再発させないことを目標にしているので、痛みを取って、はい終了とはしていません(そうなら楽なんですが…)。

あ、これなら、あの手技だけで即効で取れると思っても、全身やります。痛みの緩和だけなら、静止痛の場合でも、そこそこ簡単にできることもありますが、翌日とか数日で戻ったのでは、申し訳ない気がするので、やはり全身整えます。

もちろんカンタンには取れない痛みもありますが、それはそれで、原因と体の痛みの因果関係を考える謎解きのような面白さもあります。

うちは施術者(私)が理屈っぽい性格のためか、いろいろ原因だとか施術の裏づけを聞いてくる患者さんが来ます(全員ではないですが)。

そんな方は、今の常識に沿って、合理性が感じられる説明をしないと、施術自体に納得されないようです。そんな場合は、施術効果もいまいちだし、こちらも何となく気乗りがしない状態での施術となります。

そのためというわけでもありませんが、自分がやっている施術の個々の手法が体にどんな効果を与えているのかを、今調べたり自分で考えたりしています。

私は成果が出れば、プロセスが説明できなくても気にせずにいられないタイプではありません。なんらかの説明がつかないと信じきれないのと、自分のやっていることに確信が持てないのです。

これは利点でもあり弱点にもなりますが、先に書いた、方法論として自分なりに理解できるエッセンスが抽出できれば、応用が効くようになるわけです。

手法が体に負担が少ないソフトな方法なら、その都度、チェックで確認を取ったりしなくても、試して結果が即わかるので、それだけでも正解に確実に近づいて行くことも可能です。

施術がいったん終わった時点で、患者さんが体調をどう感じているかを聞きます。まだ、施術自体、手法自体の効果を確かめたい段階なので、言葉で楽に感じさせるような誘導はしていません。

「前と変わったようには感じられません。すみません」と患者さん自身に言われたことがあるせいでもあります。優しく、人の努力に感謝の気持ちを素直に持ってくれる人であればあるほど、施術後に「まだ痛いです」などとは言いづらいことに気づいたからです。

痛みの記憶というものがあることは聞いていますが、だからといって、整体の達人でもない私の施術が完璧であるはずはありません。施術が下手、診立てが適当、不正解だから、効果が出てない場合があって当然です。

それを患者さんの感じ方や痛みの記憶、心の持ちようと断定することは、今の私にはできないし、するつもりも毛頭ありません。

痛みの記憶だろうが、気のせい、不安感のせいだろうが、患者さんが「痛い」といえば、それはその人にとっては現実の痛みなのだと思います。

それに対して、どう対処するか、気の持ちようだとしても、その心理をどうしたら変えることができるかを考え実行できてこそ、それなりの対価をいただいて体の扱わせていただいている者の責任だと考えています。

整体も人気商売?!

僕の母は80代半ばです。数年前から物忘れがひどくなり、認知症で要介護の認定を受けています。

そんな母ですが、言ってることがトンチンカンなわけではありません。大切だと感じることは、ある程度は記憶できているようです。

そんな母がまだ今より頭がはっきりしてたときのアドバイスです。母は僕が愛想がよくないと思っているので、商売繁盛の秘訣は店主の人柄と人気が大切で、整体も同じだと言われました。

そういう観点から仕事を考えたことが無かったのですが、なるほどと思いました。

仕事(施術)の目的は、身体の歪みやバランスを整え、不調を解消し快調にすることが基盤なので、人気が出れば何でもありとは思いません。

しかし、誰でも好感を持てない人と関わりたいと思いませんし、ましてや整体は身体に触れられるのですから、人気がある好感を持たれるというのは、条件のひとつであることは確かです。

止めた返金保証

施術しても全く改善しなかった場合は、施術料金を返金すると言っていたことがあります。下記の事情で、今は止めてしまいましたが…

初めて返金請求が来たときの話をします。
返金保証は、施術後に判断して直接、こちらに伝えてもらうつもりでしたが、メールで来ました。

ガソリンを買う金もないから銀行振り込みしてくれとのことでした。3回目の施術の翌日くらいに仕事に行ったとき、仕事を早退するほどの痛みが出たのが理由だそうです。

しかし、ツイッターにメモとして書いたこの方の施術記録には下記のように書かれていました。

「先日の男性の方は、10ヶ月位前から首肩の凝りと痛み、右腕の痺れ、肩甲骨の下に刺すような痛みがあるので来院されました。鍼灸院では治らず、ペインクリニックで痛み止めのブロック注射だと、波があった痛みが多少程度が軽くなったものの慢性化したそうです。」

「体の捻れと傾きがあり背中の張りがかなり広範囲で強かったですが、他はそれほどでもなかったので、骨盤と特に背骨の調整をメイン施術しました。術後は、痛みが増す体勢を取らない限り痛みと痺れは解消しました。さらに改善し安定させるためには、まだ施術は必要と伝えて終了しました。」

3回目の施術では、まだ持続性は無いものの、かなりはっきり改善はしてたので返金保証の条件から外れています。しかし、その方は、改善した点を全く考慮しておらす、一時的に痛みが強くなったことだけ主張して、返金してくれと言うのです。

改善していたことを無視し、それ以降(4回目)の施術も、仕事の都合などを理由に受けないで、体が内部からはまだ回復してないにも関わらず、今まで通り仕事をして負担をかけた結果、痛みが強く出てきたことを、私の責任かのように言われたのです。

クライアントさんと揉めるのは嫌ですし、それで私の施術継続の気が失せたので返金に応じました。施術後で症状が戻るのは、基本的には患者さんの責任の範囲だと考えますが、その点の理解が無い人は少なくないと感じました。

それと一時的には回復の過程で症状が悪化したかのように増す場合はあるのですが、その点の注意が不十分だったのかも知れません。

健康回復には、当然ですが、患者さんの自己管理が必要です。それを考慮すると、全額返金は合理的ではないと考え、全額返金から50%返金に変更することにしました。

施術後の好転反応か施術の刺激が過剰かは、まだ正確に判断できない部分がありますが、術後の体調の変化(一時的症状の増加)の可能性は、必ず伝えるようにしていますし、体調が変化して心配な場合は、電話での対処や場合によっては来院していただき、その回は無料でケアすることもしていました。

体の調整は、機械の整備とはちがいます。共通部分もありますが、機械のように、入力(作業)と出力(結果)が正確に想定できません。体は機械とは比較にならないほど複雑だからです。体調に関しても、こうすればこうなる、というような、確実性への思い込みが現代人は強すぎるような気がします。

返金した12000円は、うちの経営状態では痛いですし、経済的に苦しいから痛みが戻ったことだけを一方的に訴えて治療代をタダにしようとしたようにも感じられましたが、施術方法や患者さんへの伝え方などの勉強代と考えることで、気持ちを納めました。

しかしその後、痛みは自己申告だし、施術効果を維持できないのは、半分はクライアントさんの責任でもあると考えたので返金保証は止めました。

でも新患に渡している当院の案内にも、返金保証を載せておいたことを忘れていました。それから数ヶ月して、返金保証の話をされたことがありました。またも改善してるが維持できてない人でした。しかも5回も施術を受けていた人でした。

毎回施術後は楽になり、動かせる範囲も多少は広がっていたのですが、5回施術した後で、満足いく改善度でないことと、こちらが回復までの回数を確約しなかったことで、返金の話を持ち出したようでした。

施術は毎回全力でやってますし、少し念入りに施術したいから15分早く来て欲しいとまで伝えたクライアントさんだったので、ちょっと嫌な感じは受けました。しかも、施術後に、その後、クライアントさんが来られることも確認をせずに20分近くその話をされたので、次の方をかなり待たせてしまいました。

自分の都合のいいように解釈して返金を申し出られるのは、精神的にダメージが大きかったです。施術後に、効果が感じられないから金を払いたくないというようなことまで言われたこともありました。慢性化した不調の場合や、体質によっては、施術直後に変化を感じられないことも多いと伝えてるのに…。

10年以上も体調不良で辛い思いをしてきたと切々と訴えた人が、1回や2回の施術ではっきりと楽になる期待してるのです。整骨院や病院でもほとんど回復しない不調が何で当院で1回で軽くなると思うのか不思議でした。案内に返金保証と書いてあるから言ったのでしょうが。

施術に手抜きはしてないし、、術後の生活指導と自己療法の指導もしています。それで改善が維持できない場合は、生活や体質に問題があるか、自己療法を適切にやってないからです。ある程度は自分の体の状態に責任を持つ人でないと改善もスムーズではありません。

基本的には、私が治してるわけじゃなく、クライアントさん自身の自己治癒力が体の状態を修復しているのです。整体師(医師も同様ですが)ができるのは、その力を滞らせているものを排除し流れを促進してやることです。

回復が整体師の力だけの結果だとすれば、効果に見合う施術料金は、もっと高額になると思っています。